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街で見かけるナンバーの色、違いを知っていますか?【緑・黒・白ナンバーを5分で解説】

街で見かけるトラックのナンバープレート。

【白、黒、緑】といった色の違いには、重要な法律上の意味が込められています。

運送業を志す方、あるいは既に事業を営んでいる方にとって、この「色の違い」を正しく理解することは、コンプライアンス遵守の第一歩です。

今回は、専門家の視点から、それぞれのナンバーが持つ役割とリスクについて詳しく解説します。


ナンバープレートの色が分ける「法的な境界線」

運送業界において、車両のナンバープレートの”色”は単なるデザインではありません。”色の違い”は、その車両が「何を運んでよいのか」「対価(運賃)を受け取ってよいのか」を証明する、いわば事業の「身分証明書」なのです。

これを曖昧にしたまま事業を行うと、知らないうちに「無許可営業」という重大な法律違反を犯してしまうことになります。


1. 「白ナンバー」に潜む最大の罠:白トラ行為の恐怖

一般の乗用車と同じ白ナンバーは、あくまで「自家用」の車両です。

  • できること: 自社の荷物(自社製品や材料など)を運ぶこと。

  • できないこと: 他人や他社の荷物を運び、その対価として「運賃」をもらうこと。

避けられないリスク:厳しい罰則と社会的信用の失墜

白ナンバーの車両で運賃を受け取って他人の荷物を運ぶ行為は、通称「白トラ行為」と呼ばれ、貨物自動車運送事業法違反となります。

「許可を受けないで一般貨物自動車運送事業を経営した者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」 — 貨物自動車運送事業法 第70条

「少しだけ手伝ってお金をもらった」という軽い気持ちが、事業の停止や逮捕、さらには取引先からの信頼を完全に失うという、取り返しのつかない悲劇を招くのです。


2. 「黒ナンバー」:軽貨物ビジネスのスタートライン

軽自動車(黄色ナンバーの車両)を事業用として登録した際に交付されるのが黒ナンバーです。正式には「貨物軽自動車運送事業」と呼びます。

  • 特徴: 軽自動車や126cc以上のバイクを使用して、他人から運賃をもらって荷物を運ぶことができます。

  • 参入障壁: 届出制のため、車両1台からでも比較的スムーズに事業を開始できるのが魅力です。

近年、宅配需要の増加により黒ナンバーの車両は急増していますが、手軽に始められる反面、運行管理や安全への意識が疎かになりがちな点には注意が必要です。


3. 「緑ナンバー」:プロフェッショナルと信頼の証

普通トラックを使用して本格的に運送業を営む場合に必要となるのが緑ナンバー、すなわち「一般貨物自動車運送事業」の許可です。

  • 許可の厳しさ: 最低5台の車両確保、運行管理者・整備管理者の配置、十分な資金計画など、国(運輸局)による非常に厳しい審査をクリアしなければなりません。

  • 社会的価値: 緑ナンバーを掲げているということは、国から「安全で安定的な輸送サービスを提供できる体制がある」と認められたプロの証なのです。

なぜ「緑」を目指すのか

事業を拡大し、大手企業との取引を望むのであれば、緑ナンバーの取得は避けて通れません。厳しいルールを守ることこそが、荷主企業からの絶大な信頼に繋がるのです。


あなたの事業を守るために

どのナンバーで事業を始めるかは、その後のビジネスの形を決定づけます。 もし、「人からお金をもらって荷物を運びたい」と考えているのであれば、選択肢は黒ナンバーか緑ナンバーの二択しかありません。

「知らなかった」では済まされないのが法律の世界です。正しい知識を持ち、ルールに基づいた健全な経営を行うこと。それが、あなたの大切な会社と従業員、そして荷主を守る唯一の道です。

運送業の未来を切り拓くために、今一度、足元のナンバープレートの意味を深く見つめ直してみませんか。

引用元・参考情報

動画での解説はこちら

執筆:行政書士法人あゆみ 松本 亜由美

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