運輸支局へ行く必要なし? 行政手続き「オンライン化」のメリットと注意点

運送業界で今、手続きのルールが大きく変わっています。国土交通省が進める「行政手続きのオンライン化」です。
これまで、許可申請や変更届のためにわざわざ運輸支局の窓口へ行ったり、大量の書類を郵送したりしていませんでしたか? これからは、そうした手間がなくなります。
しかし、便利になる一方で、「ネットでできる=審査が甘くなる」と勘違いするのは禁物です。 今回は、本格化したこの制度のポイントと、経営者が気をつけるべきリスクについて解説します。
何が変わったのか?
国土交通省は、自動車運送事業(トラック・バス・タクシー等)に関する合計137の手続きをオンライン化しました。 政府の総合窓口「e-Gov(イーガブ)」を使えば、オフィスや自宅のパソコンから、24時間いつでも申請が可能です。
導入スケジュールと現状
制度は段階的にスタートしています。
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【実施済み】2025年12月1日から 一般貨物の許可申請、事業報告書・実績報告書の提出、事故報告など、主要な手続きがオンライン対応になりました。
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【これから】2026年4月頃から 運行管理者資格者証の交付申請などが追加される予定です。
オンライン化「4つのメリット」
単なるシステム変更ではなく、経営の効率化につながります。
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24時間365日申請OK:窓口の受付時間を気にする必要がありません。
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移動・郵送コストゼロ:支局へのガソリン代や移動時間、郵送費を削減できます。
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ペーパーレス:膨大な書類の印刷や保管の手間が減ります。
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状況が見える:「今、審査がどこまで進んでいるか」を画面上で確認できます。
最大の注意点:「入力が簡単」=「許可が簡単」ではない
専門家として、ここだけは強くお伝えしておきます。
「画面への入力が簡単になっても、法律のルール(許可要件)はまったく変わっていない」ということです。
オンライン申請は、フォームに従って入力していけば、なんとなく申請できてしまうように見えます。しかし、添付書類の内容や、法的な要件が満たされているかは、従来どおり厳格に審査されます。
もし、安易に入力して実態と異なる申請をしてしまえば、不備で戻されるだけでなく、場合によっては「虚偽申請」として行政処分の対象になりかねません。 手続きは便利になりましたが、審査の基準はそのままだということを忘れないでください。
まとめ:新しい仕組みを賢く使いましょう
行政手続きのオンライン化は、うまく使えば皆様の貴重な時間を「本業」や「安全管理」に回すチャンスになります。
「パソコンでの申請は不安だ」「法的に間違いのない申請をしたい」という場合は、ぜひ私たち専門家にお任せください。 デジタル化の波を味方につけて、効率的な運送経営を目指していきましょう。
引用・参考情報
動画での解説はこちら
執筆:行政書士法人あゆみ 松本 亜由美
